NAS HDD evaluation report,
with Real-time HDD Tester HDT-201A
本評価は(有)オリオスペック様のご協力を得て行ったものです。
評価用NAS HDDのご提供、更に報告会開催(2016.02.13)に関して多大なるご尽力を頂きました。
感謝申し上げます。
以下に、2016年2月13日にオリオスペック様での報告会の内容を紹介します。
オリオスペック様からご提供頂いたNAS HDDは以下の5機種です。
本評価に際しては、リアルタイムHDDテスター:HDT-201Aを使用して計測を実施しました。
評価項目は以下の3項目です。
以下、2015年2月13日のNAS HDD評価報告会で紹介したHDD関連のトピックです。
Seagate, Enterprise NAS HDD:ST3000VN0001を評価している際に、起動時の環境温度が低い場合(室内温度:約10℃以下の場合)、電源投入直後の約10分程度の期間、速度が低下していることが分かった。
上記の例では、橙色のグラフ:Read時の性能が低下しているが、これはRead動作試験を行った後にWrite動作試験を行ったためで、Write動作試験を先に行った場合は、青色:Write時の性能が低下する。
オリオスペック様からHDDメーカーに確認してもらったところ、TCLPM (Temperature Controlled Low Power Mode) と呼ばれる低温時にはシークロスを低減させるための機能を有しており、TCLPM動作中はシーク性能が低下することが分かった。尚、この機能は、温度閾値:10℃以下で動作するとのこと。
近年のHDDは高密度化が進んでおり、従来のHDDでは問題にならなかったようなHDD自体の振動でも自身の性能に影響を与えている模様。
以下の事例は、振動対策の有無により転送性能と応答時間分布性能に表れる影響を紹介。
振動対策を施していない左側のグラフは、対策を施した右側と比較して、青色のグラフ:Write時の性能が劣化していることが確認できる。
これはWrite時はRead時と比べて、より正確な位置決めを行っているのではと推察される。
この事例はWestern Digitalのデスクトップ仕様3.0TB HDDであるが、Seagate デスクトップ仕様 HDDでも同様の結果を得ている。
Enterprise NAS HDDでは振動対策機能を有したNAS HDDがリリースされているが、現時点ではその効果を評価していない。今後機会があれば調査してみたい。
HDD本来の性能を十全に発揮させるために、適切な振動対策を施すことが重要になってきたと考えられる。
Western Digital社から提供されている、標準デスクトップHDD:Green、NAS HDD:Red、ハイエンドNAS HDD:Red Proの3製品を比較してみた。
Transcend社SSD製品:TS128GSSD370をリアルタイムHDDテスターで性能を計測してみた。
参考例として紹介する。
通常は、275MB/Sec程度得られているRead性能だが、電源投入直後は約半分程度の性能しか出ていないことが分かる。
通常時はReadの場合、極めて安定した性能が得られているが、Writeの場合にはWear Levelingの影響ではないかと思われる若干の速度低下が見受けられる。
NAS HDD報告会・配布資料 ((有)オリオスペック様イベントスペースにて 2016.02.13)
NAS HDD性能評価・レポート (協力:(有)オリオスペック様)