目次

(c~1) インストール : SysVinit

for RPi-PWR2 univ

Raspbian Wheezy対応 (2019.12.10)


(*) はじめに

このページに記載されている情報は、RPi-PWR2 univのRaspbian Wheezy用の設定です。 Wheezy以外の、Jessie, Stretch, Busterを使用する場合は、( c-2) インストール : systemdを参照して下さい。

Raspbian Wheezyでは、UNIX系のOSで広く使われてきた起動システム:SysVinitを採用しています。
RPi-PWR2用に、起動時に実行するホスト固有の処理を実行するスクリプト:/etc/rc.localと、シャットダウン時に実行されるスクリプト:/etc/init.d/haltを修正します。


1. シャットダウン時のパワーオフ用設定

RPi OS(Wheezy)のシャットダウンシーケンスでRPi GPIO#4を操作するように設定します。

手順:
以下のリンクから圧縮ファイル:rpi-pwr2-univ.zipをダウンロードします。
下記の例では、Raspberry Piでwgetを実行してファイルをダウンロードしています。
ダウンロードした圧縮ファイルは、解凍パスワードが必要です(下記の例では7zで解凍し、パスワードは<PASSWD>)。
必要なアカウント(ユーザ名)およびパスワードは、(A)購入商品に同梱されている「はじめにお読み下さい」に印刷されているか、(B)製品購入者にメールで送られているので、それを使用します。

$ cd
$ mkdir rpi-pwr
$ cd rpi-pwr
$ pwd
/home/pi/rpi-pwr
$ wget https://www.ladybugsystems.com/supports/customer/rpi/rpi-pwr2-mini/rpi-pwr2-univ.zip --no-check-certificate
$ unzip -P <PASSWD> rpi-pwr2-univ.zip
$ mv rpi-pwr2-univ/* .
$ rm -r rpi-pwr2-univ
$ sudo cp powerdown-gpio.sh /etc/init.d
$ cd /etc/init.d
$ sudo chmod 755 powerdown-gpio.sh
$ sudo chown root:root powerdown-gpio.sh
$ sudo update-rc.d powerdown-gpio.sh defaults


次にエディタで/etc/init.d/haltを修正します(「modify start」~「modify end」の5行追加)。次の例ではnanoで編集しています。

$ sudo nano halt
do_stop () {
 .....
 .....
//--- modify start ---
        # Send powerdown signal to RPi-PWR via GPIO
        if [ "$INIT_HALT" = "POWEROFF" ] && [ -x /etc/init.d/powerdown-gpio.sh ]
        then
                sudo /etc/init.d/powerdown-gpio.sh
        fi
//--- modify end ---
 
        # See if we need to cut the power.
        if [ "$INIT_HALT" = "POWEROFF" ] && [ -x /etc/init.d/ups-monitor ]
        then
                /etc/init.d/ups-monitor poweroff
        fi

2. シャットダウン時のオートパワーオフの確認

$ sudo shutdown -h now

正常にpowerdown-gpioが組み込まれ、シャットダウンが行なわれれば、Raspberry PiのACT LED(SDカードアクセス)が点滅した後、Raspberry PiのPWR LEDが消灯します(電源供給も停止)。


3. ソフト電源オフ用設定

ソフト電源オフとは
RPi OSが稼働中にRPi-PWR2 univ上の電源SWを操作して、Raspberry Pi OSを正常にシャットダウンさせ、先に設定したシャットダウン時のパワーオフを実行します。

※ソフト電源オフ機能は、前述の「1. シャットダウン時のパワーオフ用設定」が正しく実施されている必要があります。

ソフト電源オフの仕組み
RPi-PWR2 univは通電中にボード上の電源SWを1-2sec程度、押下(スイッチオン)とすることで、ユーザのソフト電源オフ要求を受け付けます(JP1:拡張電源ボタンを取付けて、同様の動作が可能です)。
この後、RPi-PWR2 univはシャットダウン要求シーケンスとなり、GPIO#17(RPi-B+/RPi2 J8-11)をLow:0とします。
RPiはOSの起動時に開始してあるシャットダウン要求検出機能で、定期的にGPIO#17をモニタし、RPi-PWR2 univからのシャットダウン要求を検出します。
RPiはシャットダウン要求を確認すると、OSのシャットダウンを開始し、前述のシャットダウン時のパワーオフが実行されます。

Raspberry Piの設定
RPi OS(Wheezy)のシャットダウン要求検出機能を開始するよう起動スクリプトをOSに組み込みます。
OSの起動スクリプト:rc.localに提供するスクリプト:wait-for-shdn-req.shを組込みます。

手順

先の手順の圧縮ファイルがダウンロードされ、解凍されている前提で手順を記します。

(※)この例では、シェルスクリプト:wait-for-shdn-req.shは/home/pi/rpi-pwrに置く前提で記しています。もし異なる位置に置く場合は、下記のrc.localの記述を対応する位置に変更して下さい。

$ cd /home/pi/rpi-pwr
$ pwd
/home/pi/rpi-pwr
$ sudo chmod 755 wait-for-shdn-req.sh
$ sudo chown root:root wait-for-shdn-req.sh

/etc/rc.localの最後のexit 0の直前に以下の1行を加えます。

$ cd /etc
$ sudo nano rc.local
cd /home/pi/rpi-pwr; ./wait-for-shdn-req.sh &
exit 0

設定を反映させるために、一度再起動します。

$ sudo shutdown -r now

4. ソフト電源オフのテスト

RPi-PWR2 univの電源SW(PUSH SW:S1)を約1-2秒押下し、スイッチを離します。
RPiのシャットダウンシーケンスが起動します(コンソールが接続されていれば“SHUT DOWN NOW *”と表示)。

※5秒以上、RPi-PWR2 univのS1を押下し続けると、強制電源オフとなるので注意する事。